「アジリティー・ドッグ」とは(1)

「アジリティー・ドッグ」とは、皆さんの想像通り「アジリティーを行う犬」のことを指します。
ですが、そもそも「アジリティー」とは、どんな意味なのでしょうか?

直訳すると、「機敏、俊敏、軽快」というような意味になります。

「アジリティー・ドッグ」= 「機敏、俊敏、軽快な犬・・・?」

これは、犬の動作や性格が、ということではありません。

「機敏に、俊敏に、軽快に動く犬」

つまり、犬と人とが共に心を1つにして、様々な課題をクリアしながらゴールを目指すレクリエーション。
いわば「アジリティー・ドッグ」とは、「体力・知力・能力・精神力」が必要な「戦略的なスポーツ」なのです!

よく、大型犬に特殊訓練を施して「作業」をさせるのに比べ、「アジリティー・ドッグ」は「小型犬の運動会」だという人がいます。

しかしながら、「アジリティー・ドッグ」とは、単に、小さな犬が一所懸命に走る姿を微笑ましく見守る「運動会」ではありません!(汗)

「アジリティー・ドッグ」とは、100m~200mの決められたコースを様々な障害を乗り越え、課題をクリアしながら、制限時間内に、どれだけ早く正確に、ゴールにたどり着けるかを競う「正式な競技会」です。

ただ自由に犬を走らせて、ジャンプさせているだけではダメなのです。

「アジリティー・ドッグ」とは(2)

「アジリティー・ドッグ」とは、犬と人が1つのゴールを目指し、共同で行う「本気のスポーツ」です。

そのトレーニングの内容は過酷ともいえるほどハードで、精神的にも肉体的にも体力を消耗します。

「アジリティー・ドッグ」に使用する「障害物」には、足を折り曲げて体の位置を低くし、穴の中を通り抜けるものや、高い場所を飛び越えるもの、足場が悪く道幅が狭い、バランス感覚をフル活用しなければ渡れない難所など、犬にとっては身が縮むほど怖い、数々の「危険ポイント」があります。

しかも、その中で「ハンドラ-」の指示を的確に聞き分け、従わなければなりません。

このような動作を犬にさせるには、口で言うほど簡単なことではありません。

それなりの厳しい訓練をして経験を積ませ、犬をその状況に慣れさせておく必要があるのです。

このようなトレーニングをする理由は、もちろん、「アジリティー・ドッグ」をさせるために行うものですが、実はこのトレーニング、実際に被災地の現場に出向く「災害救助犬」にも適用されていることは、あまり一般的には知られていないのではないでしょうか?

「アジリティー・ドッグ」とは(3)

「災害救助犬」とは、地震・火災・遭難など、災害の被災に見舞われた現場に出向き、倒れた家の中や、崩れた瓦礫などに押しつぶされてしまった人たちを見つけ出し、救助をする手助けをする犬のことをいいます。

「災害救助犬」とは、地震・火災・遭難など、災害の被災に見舞われた現場に出向き、倒れた家の中や、崩れた瓦礫などに押し潰されてしまった人たちを見つけ出し、救助の手助けをする犬のことをいいます。

まだ記憶に新しい、2011年3月11日の「東日本大震災」の被災地でも、公になることは、あまりありませんが、この「救助犬」たちの素晴らしい働きのお蔭で助かった命も、計り知れないほどだったと思われます。

犬たちは疲れた体に、いくつもの傷を負いながらも、助けを求める人たちの救助を率先して行い、見返りを求めることなく働き続けました。

尖った石や瓦礫の欠片で足裏は傷つき、その体は、血と泥にまみれていたといいます。

その中には、1度は人間に裏切られ、棄てられ、保護センターで死を待つのみの運命だった犬もいたそうです。

それほどの目に遭いながらも、なお、人間を愛してやまない犬の頑張りは、当時のドッグ・トレーナーも驚くほどで、胸が熱くなったといいます・・・。

このように、災害のあとの被災地では、大きな岩や尖った木材、割れたガラス片などで、足元は悪く、危険がいっぱいです。

「アジリティー・ドッグトレーニング」は、そのような「災害救助犬」の訓練として、被災地の荒れた地面を想定して行う疑似訓練に、有効かつ最適なのです。

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