「ドッグ・トレーニング」の障害物
「アジリティー・ドッグトレーニング」に使う「障害物」は、「アジリティー・ドッグ競技会」で、どのような「障害物」を使うか分からないため、いろいろな「障害物」でトレーニングして、犬を慣らしておきましょう。
「アジリティー・ドッグ競技会」で並べられる「障害物」は、ある程度の距離をとって近接しているため、犬が次の「障害物」を見誤ったり、混乱してしまう場合が多々あります。
「ハンドラ-」が的確な指示を出せるよう、また、たくさんの「障害物」に犬がパニックにならないよう、トレーニングの段階でシュミレーションを繰り返し、犬をその環境に慣らしておきましょう。
ヒモ
120cm~150cmの軽いもの。
トレーニングの最初、チェーンカラーにつけておきます。
トレーニング中は、ずっとつけておくので、犬の負担にならない程度の軽いものを用意してください(逃走防止、遠隔時の注意喚起に役立ちます)。
チェーンカラー
犬の首に下げておく訓練用の首輪のことです。
通常の首輪のようにベルトや留め具で固定するのではなく、強く引くと瞬間的に犬の首が絞まる鎖状の首輪です。
犬に注意を促したり悪いことをしたときに絞めると、瞬間的に苦しくなるため、犬に緊張感を維持させることができます(やり過ぎ注意!!)。
ハードル
この「障害物」には、いくつかの種類があります。
それぞれの形状を見てみましょう。
小型犬用・・・高さ約40cm
中・大型犬用・・・高さ約60cm~約75cm
(犬が飛ぶ幅は約120cmと、既定の大きさは同じです)
「壁」・・・障害物の先が見えず、初挑戦の犬には難易度が高め。
「水道橋」・・・トンネルのように穴あきの形状。「壁」よりは挑戦しやすい。
「ハードル」・・・固定された器具で、棒状のハードルを乗せているタイプ。
難易度は低く、高さ調節可能。初挑戦の犬にもトライしやすい。
※その他、「クロス」「生垣」「パネル」など、形状は様々あります。
タイヤ
四角く囲った枠の真ん中に、内径、約30㎝~約60cmの「タイヤ」が取り付けられた、いわゆる「輪くぐり」のような要領です。
「タイヤ」の外側の部分の空間は、チェーンなどが張られ、犬が通り抜け出来ないようになっています。
犬が「タイヤ」の外側を通ろうとしたり、上手く「タイヤ」をすり抜けられないと、チェーンに当たり、かなりの痛みを伴います。
犬が拒否反応を起こしやすい道具なので、「ハンドラ-」の犬に対する心のケアが必要です。
ロング・ジャンプ
「ハードル」や「タイヤ」のように、高く上に飛ぶより、前に踏み込んで飛ぶ技術が必要な「障害物」です。
犬が飛ぶ範囲の横幅は「ハードル」と同じ約120cm。
両脇に背の高い棒やカラーコーンなどで仕切られていることもあります。
犬が飛び越える長さは、約120cm~約150cmほどです(犬の体の大きさによって、長さが変わります)。
その区間は、角材の尖った部分や鉄製のデコボコ、高さのあるブロックでつくられており、いずれも普通に歩くには困難な形状になっています。
犬が苦手とする種目の1つです。
スラローム
「アジリティー・ドッグトレーニング」の中で、犬も人も最も難易度の高いトレーニングになります。
高さ約100cmの長い棒が約60cmほどの等間隔で8本~12本並ぶ「障害物」。
その間を犬は1本ずつ交互左右に、体を捻りながら通り抜けなければなりません。
スタートは、犬が右側から入り、次をクリアしていくことが決まりになっています。
「右、左、右、左・・・」
最初はヒモを付けて軽く引きながら、犬の体に覚え込ませるようにトレーニングします。
犬に声を掛けながら、集中力を途切らせないようにテンポよく、確実に誘導してあげてください。