「ドッグ・トレーニング」を始める心構え(1)
「アジリティー・ドッグトレーニング」を始めるにあたり、「ハンドラ-」が覚えておかなければならないことは何でしょう?
自分が扱う「犬」を知ることは、もちろん「アジリティー・ドッグ」に使う「道具」を知る、「技術」を知る、それからもう1つ・・・「現場」を知る、です。
「現場」とは、「アジリティー・ドッグトレーニング」を行う、または「競技会」を行う「グラウンド」のことです。
「グラウンド」は、自分の庭とは違い、公共の場です。
トレーニングを始める前に、他人の迷惑にならないか、犬の足を傷つけるガラス片や尖った石がないかなどを確認することも大切な準備です。
さて・・・あなたが今まさに、トレーニングに向かおうと準備をしているとします。
ふと、窓を見ます。
窓の外の天気は、どうですか?
晴れていますか?
雨ですか?
・・・もしかしたら雪が降っているかもしれません。
天気が悪いからといって、トレーニングを中止することは出来ません。
なぜなら、台風や突風、尋常でないほど雷が鳴りやまないなど、よほど天気が荒れない限り「競技会」は開催されるからです!
それならむしろ、雨や風など、天気の悪い日にトレーニングできる日をチャンスと捉えましょう。
「ドッグ・トレーニング」を始める心構え(2)
晴れた日、雨の日、曇り空・・・その日の季節や天候で、グラウンドの足場の状態は変化します。
例えば雨の日。
視界は悪くなり、雨の音で、号令を掛ける声も犬に届きにくくなります。
グラウンドの土はぬめって、泥に足をすくわれます。
トレーニングに使う道具も滑りやすいため、充分な注意が必要です。
犬にとっても人にとっても、怪我のリスクが付きまといます。
その反面、湿気のおかげで「匂い」が残りやすくなります。
これは犬にとって好都合です!
風上から流れる匂いを犬は敏感に感じ取り、「ハンドラ-」の存在を近くに感じます。
犬は「ハンドラ-」と離れていても、安心して競技に没頭できるでしょう。
また、トレーニング用の布や疑似の模型を使う場合、犬の鼻は僅かな匂いも感じ取りやすくなり、選別が容易になります。
度重なる成功体験は犬に自信を与え、トレーニングに、さらに意欲的に取り組めるでしょう。
ただし、気を付けなければならないことは、犬が成功することに慣れ過ぎて、ズルさを身に付けることです。
感のいい犬は、コースを作る段階やポイントをジッと観察し、どこに何があるのかシミュレーションを始めるのです!
信じられないかもしれませんが、犬は何も分かっていないフリで、芝居を打ちます。
どこに、どんなポイントを仕掛けたか、どこをどう回れば近道できるか、犬は見ています。
「ハンドラ-」は、そこをしっかりと見極め、強制しなければなりません。
悪い癖は一度身に付くと、元に戻すのに相当な苦労を強いられます。
始めから「手抜きは許さない!」という意識を犬に植え付けなければダメなのです。